八王子みなみ野CRCでは、運動療法に通っていただく流れの中で、基本的に月に1回、『協働診察』として患者さんと面談させていただいています。
この『協働診察』ですが、一般的に医療機関で行われている、患者さんと医師が対面して行うものとは異なり、看護師や理学療法士、運動スタッフなども同席させていただいています。
その診療の場で、看護師は生活習慣全般や食事などについて患者さんから自宅での様子をお聞きし、理学療法士は自宅でどれくらい運動が行えているのか、運動を行う上での問題点などがないかなどを確認します。
それらの話をもとに医師が、問題点などを集約して、今後どのようにしていくとよいかなどを相談・アドバイスする、という流れになっています。
順番は基本は看護師→理学療法士→医師となっていますが、患者さんの話の流れ次第では、それぞれの職種がそれぞれの専門分野・得意分野で適宜入れ替わります。
特徴的なのは、診察の最初に必ず体組成計に乗っていただくことです。この体組成計はタニタ社のハイエンドのものを使用しており、体重だけではなく体脂肪率・筋肉量・内臓脂肪レベルなど、全身の変化がかなり詳細にわかる代物で、これを毎月チェックしていくことにより、診察と診察の間に患者さんがどのような生活を送ってきたのか、食事がどうだったのか、運動・活動状況がどうだったのか、が赤裸々にわかります。
単発のデータ・結果だけでどうのこうの言うのではなく、その変化・これまでの経緯を読み取ることで、その患者さんの生活全般についてどこは良くできていて、どこに問題があって、どこをどう修正していくべきなのか、スタッフと患者さんが一緒になって話し合います。
その様子は診察、というよりはむしろ相談の場、座談会のような雰囲気となっていて、患者さんにとってもとても話しやすい(時に厳しい?)空気が醸成されるよう工夫しています。
また多職種が同一空間で患者さんとお話しする機会を作ることによって、情報や治療方針の共有、医学的知識に対する理解も深まる点も、大変有益です。
心臓リハビリテーションの現場で重要視される「多職種による包括的な関わり」を、時間的・空間的に同居させたスタイルとなっていると考えています。