運動療法について



運動療法の流れ・時間枠のご案内

運動療法の流れ・時間枠のご案内


有酸素運動について

有酸素運動:酸素を十分に取り込みながら行う運動

     
・ウォーキング  
・ジョギング     
・低強度のサイクリング    
・エアロバイク    
・ステッパー     
・太極拳、など
有酸素運動:酸素を十分に取り込みながら行う運動

無酸素運動:酸素が足りない状況で行う運動

     
・短距離走、ダッシュ
・筋力トレーニング(腕立て伏せ、スクワットなど)    
・低強度のサイクリング    
・競技水泳、など
無酸素運動:酸素が足りない状況で行う運動

有酸素運動と無酸素運動は上記のように「酸素」を利用できるかできないかの違いがあります。

また有酸素運動の特徴として、以下の4つが挙げられます。  

1.長時間継続できるものが多い  

2.疲労物質が溜まりにくい  

3.神経を興奮させにくい  

4.心臓に負担がかからない範囲内の運動である  

つまり有酸素運動は「安全」に行える運動と考えることができます。  

国際的にも有酸素運動は様々な面で効果があると推奨されています。

八王子みなみ野CRCでは、有酸素運動の主な効果として、以下の    ~    に注目しています。

  心肺機能の改善

  代謝の改善・病気の予防

  ストレスの軽減

心肺機能の改善

足は「第二の心臓」といわれています。  

これはふくらはぎがポンプのような役割をしており、心臓に血を送り返すためです。  

有酸素運動を継続的に行っていると、この機能が高まり結果的に心臓の負担を軽減してくれるのです。  

その他にも中性脂肪の減少、血圧低下、心拍数の安定など様々な効果が期待できるなど、適切な有酸素運動は心臓機能の改善をもたらします。

代謝の改善・病気の予防

代謝の改善・病気の予防

有酸素運動は脂肪や糖の燃焼を活発化させる効果も期待できるため、糖尿病や脂質代謝異常の予防・改善、血圧管理、活性酸素の抑制などにも良い影響を与えます。  

血液に流れる余分な脂肪が減ると、血液がさらさらになり、全身の血流が改善します。  

すると、体のすみずみまで栄養・酸素が速やかに運搬され、新陳代謝も活発になります。  

これらの総合的な作用により、動脈硬化性疾患を改善し、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や閉塞性動脈硬化症など様々な疾患を防ぐ効果が期待できます。

ストレスの軽減

ストレスの軽減

心臓の治療を受けた30%の方に精神的な不安が認められると報告されています。 精神状態を大きく左右する自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二種類に分けられます。  

「交感神経」はストレスを感じた時などに優位に働き、「副交感神経」は休息時、リラックスしているときに優位に働きます。  

心疾患がある方は交感神経が優位に働き心臓に負担をかけて行きます。  

適切な有酸素運動は過度の交感神経の働きを抑制し、副交感神経を優位にするので、リラックス効果があります。  

また、適度な疲労を得られるので、良質な睡眠にもつながります。  

自律神経の乱れによる原因不明の症状を改善することができ、うつの予防効果も見込まれています。

また、脳の血行もよくなり、脳の機能が活性化され、認知症予防にも効果もあるとされています。

有酸素運動も過度になれば(強度が強くなれば)無酸素運動になってしまいます。一概に無酸素運動を行ってはいけないということではありませんが、適切な負荷量を設定することが重要になります。  

そこで大切になるのが後述するCPX(心肺運動負荷試験)です。  

八王子みなみ野CRCでは、心臓リハビリを行う方々に対して原則全例CPXを施行しています。その結果に基づき、適切な運動強度を測定し、それを運動処方としてご提示させて頂いております。  

特に持病のない、健康な方であるならば、あまり難しく考えず、心地よいレベルでの運動、中でも有酸素運動とストレッチ、筋力トレーニングを組み合わせて行うことをお勧めしています。

運動を行う上で大切なこと

運動を行う上で大切なこと

「運動=がんばる」というイメージを持たれている方が多いと思います。心臓リハビリにおける、運動療法では「がんばらない」ことが重要です。  

息が切れる程ハードに行ったり、呼吸を止めて運動をしてしまうと心臓の血液が足りなくなり、結果的に状態を悪くしてしまうことがあります。  

特にストレッチは軽視されがちですが、とても大切です。  

息をこらえて、痛みを感じる程伸ばしてしまうと筋肉は逆に硬くなってしまいます。  

痛くない程度に、少し張りを感じる程度で十分です。  

また、最近では身体の硬さと血管の硬さに関連があり、身体が柔らかくなると血管が柔らかくなるとも報告されています。  

つまり、身体が柔らかくなれば、血管も元気になるのです!  

ストレッチ、筋力トレーニング、有酸素運動は、無理なく適切な負荷量で行うことが重要になります。  


皆さん、「がんばらない」運動を心がけましょう!

運動を行う上で大切なこと

心肺運動負荷試験について


心肺運動負荷試験 のことをCardio-Pulmonary-Exercise test:CPXと称します。  


心肺運動負荷試験では、心電図や血圧、さらに密着型のマスクをつけて呼吸を分析しながら行う運動負荷試験で、以下の1~3を総合的に評価することができます。

 1. 呼吸 : 運動に対する酸素の取り込み、二酸化炭素の排出、呼吸回数の変化

2. 循環 : 血圧、心電図(運動に対する心拍数の変化、全身への血液の循環、不整脈など)の変化

3. 代謝:有酸素運動状態から無酸素運動状態に切り替わるタイミング

これにより、

嫌気性代謝閾値(有酸素運動と無酸素運動の境界:ATと言います)

虚血閾値(どれくらいで狭心症の症状・所見が出るか)

不整脈閾値 (どの運動レベルで不整脈が出現してくるか)

などが分かります。そのほか、心不全の重症度判定や息切れの精査などを行うことにも役立ちます。


八王子みなみ野CRCでは、原則全例CPXを行い、適切な運動処方を施すことに役立てています。  

実際には、有酸素運動レベルでのエルゴメーターの負荷量と脈拍数をお示しさせていただくことと、またそれに対応した日常生活における代表的な活動・運動などをご紹介させていただきます。  

全ての運動・活動について言及することは出来ませんが、クリニック内で行う至適レベルの運動の際の、ご自身の息づかいや疲労感などの自覚症状を覚えていただき、自宅での運動療法でもお役立ていただけるようアドバイスさせていただいております。

クロストレーナー

八王子みなみ野CRCでは、新たにクロストレーナーを導入致しました。

クロストレーナーは「安全に全身のトレーニングが可能」なマシーンです。主な特徴として、以下の点が挙げられます。  

① 上半身と下半身を同時に使った全身運動  

② 関節への衝撃を抑えた有酸素運動が可能  

③ 神経系の強化・筋肉バランスに最適  


① 上半身と下半身を同時に使った全身運動  

自転車の立ち漕ぎのような運動と連動させながら、交互に前後に動く左右2本のバーを掴むことで、下半身だけでなく上半身にも運動効果をもたらします。 

クロストレーナーは、バーを漕ぐと足元のステッパーが前後して、脚が強制的に前後します。上半身と下半身の両方を同時に動かすことが可能で、腕、お腹、背中、お尻、ふくらはぎなど、全身を鍛えながら運動することが可能です。

また、固定ハンドルを持ちながら運動をすることで下半身のみの強化も行うことができます。  


② 関節への衝撃を抑えた有酸素運動が可能  

実は、何気なく歩いているときでも着地の瞬間、一歩ごとに足には体重の約3倍の負荷がかかると言われています。

しかしクロストレーナーは、全身が宙に浮いている状態のため、着地の衝撃がありません。

そのため、膝や足首などの関節にかかる負担を軽減し、楽に運動することが可能です。

また、実際の走りや歩きに近い軌道を描くことにより、自然で快適な有酸素運動を継続できます。

歩くトレーニングよりも疲労感が少なく、特に膝関節症などの方は痛みを生じ難く、楽に運動することが可能です。  

③ 神経系の強化・筋肉バランスに最適  

クロストレーナーのもう一つの魅力としては、足元のステッパーの回転を反対方向に動かすことが可能なことです。

言わば、後ろ歩きの様な運動となります。

これは日常生活上、あまり意識して行うことがない動きでもあり、神経系の強化・そして筋肉バランスに最適なトレーニングとなります。



クロストレーナーを利用されている最高齢は、なんと87歳!  

自分の限界をつくらず、常に新しいことに挑戦していく姿!  

ご本人から「運動に対して自信が付いた!」と大変嬉しいお言葉も頂いております。  

クロストレーナーを利用される場合は、スタッフが付き添い、運動が苦手な方、膝などの痛みに不安がある方でも、体力や体調にあわせて運動療法が出来るよう、お手伝いをさせて頂きます。  

年齢問わず、挑戦いただけます。

ご興味のある方はぜひ、運動スタッフまでお声かけください。

運動療法の時間枠変更のお知らせ

2024年4月より運動療法の時間枠が変わります!

1クールごとの担当スタッフを増やし、より良い運動を提供できるよう変更としました。時間割はこちらからご確認ください。

また、運動メニューも日替わりで実施予定です。日によってプログラムが異なりますので、やってみたい運動に是非トライしてみてください!

スケジュール表については院内の掲示板にてご確認ください。